若尾文子さまの映画特集が東京は新宿で開催されるにあたり、キネマ旬報が特集を組んでいます。
仕事先のロビーで見つけて、パチリ。
20代の文子さま。
不遜にも、ワタクシ若いときに、この人、それほどきれいだとは思ったことないのです。
30年くらい前に、「鹿鳴館」のテレビドラマに出演のとき、故あって、近くで拝顔できる機会がありました。
当時50歳、くらいだったでしょうか。
みながきれい、きれいと騒いでいるのがよくわからなかった~~。
鬘を使っていらしたのですが、
「鬘を使うと、顔のシワを伸ばして隠せるから5歳くらい若くなるのよ」と関係者が言っていた言葉のほうが記憶に残っているくらいで(笑)
そうか、年取ったら鬘だな~~とか。
それはともかく、年配の男性など、この方と結婚したいなどぬけぬけと口にしていて、サユリスト並みに「男性に人気」があった、らしい~~。
色っぽいとか、なんとか。
でも、きものを着るようになり、この方の映画を観るようになると、その美しさがじわじわっ迫ってきましたね。
「女装する女」の湯山さんも仰っていますが、きものは、まさに「手首、足首、襟あしなどの女性パーツをきれいに見せる」
その代表例ではないかと思います。
造形の美しさでいえば、京マチ子さんとか、ほかにもきれいな方はたくさんいらっしゃる。
でも、この方、日本女性のパーツの美を強調することでスターにのし上がったのではないかと思うくらい、パーツが美しい。
谷崎潤一郎の「刺青」は、「足フェチ」といわれる谷崎らしい女の足の美しさから「魔性の女」を作り上げるプロセスを描いていますが、その点でも、若尾さまは適役。
「まだ人々が「愚(おろか)」という貴い徳を持っていた」という書き出しで始まる「刺青」
特にスタイルがいいわけでもない、ある意味典型的な日本女性の面立ち。
多くの人が努力すれば、近づけそうな、それでいて、もっとも高い場所にいる、そんな美しさが、長く人気を保っている秘密ではでしょうか。
私の好きな一枚。セーラー服の襟の三角部分だって、きものの衿に通じるよね。
映画祭、見たい映画とタイミングがあえば、じっくり拝見してきたいと思います。
きもの着ると、少しは文子さまに近づけるよ~~??
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